coldrainのライヴにはラウドロックの本質がある。
それはレトリックや過剰なアレンジとの戦い、といってもいい。
タイトなストロークを重視した一体感のあるアンサンブル。
エモーショナルとクールを自在に行き来するメロディ。
ヘヴィメタルのケレンとストイシズムを見事に消化したアレンジ。
強く躍動するラウドロックに必要なものはすべてあると言っていいだろう。
だが、重要なのは、その「すべて」が、ただ足し算的に集められているのではなく、あくまで「一切の無駄なく」すべてある、ということだ。
海外のシーンで通用するバンドはみなそうだ。
いかなる状況、いかなるセットにおいても本当の実力を発揮できるかどうかは、要するに本物の骨と肉と精神を持っているかにかかっている。
そして、coldrainにはそれが完璧に揃っている。
今日は投票によるセットリストだったこともありメロディが特に強く聞こえ、感情に押し倒されるような感覚もあった。
だが、じっと集中しているとやはり肉体がシャープに躍動するクールで熱いcoldrainがそこにいた。
今月末から始まるヨーロッパツアーは実に丸3ヶ月間。
その戦いを経て、彼らはどんな肉体を手に入れてくるのか。楽しみだ。