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    ゆずの20周年東京ドーム公演にあったもの

    ゆずの20周年東京ドーム公演にあったもの
    ゆずはとんでもないグループなのだとあらためて思う。

    デビューからの20年を一気に振り返っていくそれはそれは素晴らしいライブだった。
    あらゆる演出、あらゆるMC
    のひとつひとつが一切のブレなく、来てくれたお客さんにまっすぐに向けられている、そしてそのことが誰にも伝わっているというあまりに幸せな時間。
    ゆずがすごいのは、彼ら自身が生み出した楽曲すら、すべては聴いてくれる人のためにあるものという基本的な思想を持っていることだと思う。
    だから、ゆずがいて、ゆずの曲があるところには必然としてリスナーと、リスナーの思い出があるのだと思う。
    この東京ドームも、誇張なしに、ゆずと私たちの東京ドームだった。

    ふたりの弾き語りという最小単位のやり方がまずあったわけだが、ふたりは巨大なステージと豪奢の王道をいく演出を背負い、徹底的に魅せきるスタイルまで、ゆずはゆずのまま、ふたりであることを強烈に感じさせたままやりきる。
    それがすごい。
    ふたりでの弾き語りは言うまでもなくふたりきりだが、巨大なライブになればなるほど、やはりふたりであることが際立っていく。
    そのメカニズムが、目まぐるしく披露されるヒット曲の連打とともに目の前で繰り広げられていく。
    その体験はまさに怒涛というよりなく、エンターテイメントの形としてあまりに強力なものだ。

    ゆずはこれから先も、それこそ10年後も、素晴らしいライブを魅せ、幸せな気づきをもたらしてくれる、ゆず以外に存在したこともすることもないグループでいてくれるはずだ。
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