ここまで徹底した世界観作りができるアーティストはそうはいない。
言うまでもないが、この透徹感を作れるのは、欅坂46というグループが、その赤裸々なあり方と重なる一貫した世界観を持っているからだろう。
この道を進むことを決めて、ただただひた走る平手友梨奈をはじめとしたメンバーたちの佇まいゆえであると、あらためて感じる。
今回のツアーは、欅坂46的なるテーマの、ある意味で究極のプレゼンテーションになっている。
とても自己言及的だし、とてもコンテンポラリーな表現でもある。
そして、その表現には、脆く儚く強い、現代を生き抜く者としての生き様が反映されていて、歌われる楽曲の一貫性も含め、説得力が揺るぐことが一切ない。
多くのファンにとっても愛情を注ぐ対象でもありながら、現在を生きている自分のなにかを代弁し、背負ってくれる媒介としての欅坂46がいよいよ確立された印象がある。
平手はそんな欅坂46の真ん中に立ち続け、今夜も曲に刻まれたひとつひとつの苛立ちや悲しみや気づきや、小さな喜びを全身全霊で表現していた。
やはり、感動的なパフォーマンスだった。
今日は今日の平手がいて、今日は今日の欅坂46がいる。
そんな当たり前の事柄の揺らぎが、ここまで如実な「表現」になってしまうグループは稀有だろう。
まだ詳しくは書かないが、ツアーが進み、この世界観がどこまで深まった表現になっていくのか、とても楽しみだ。
欅坂46、夏のアリーナツアーを新潟・朱鷺メッセで観て
2018.08.19 22:05