劇場版『あの花』大ヒット、そして”secret base~君がくれたもの~”について思うこと

劇場版『あの花』大ヒット、そして”secret base~君がくれたもの~”について思うこと

今週発表の興行ランキングで初登場3位を記録した映画『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』。
映画はまだ観れていないんですが、個人的に並々ならぬ思い入れがあるこの作品の公開を受けて、その主題歌”secret base~君がくれたもの~”を繰り返し聴いている。

今でこそ、えらくセンチメンタルにさせられるこの曲なんですが、実は、この曲がヒットした2001年当時はまるっきり感情移入することができなかった。
メロディも物語もあまりによくできすぎた曲というイメージがあって、自分の思いや解釈が存在する余地がないように感じていた。今思えば、そんな感じだった。
でも、今はピュアな気持ちで、ピュアにセンチメンタルな気持ちになれるし、心底いい曲だと素直に思えるようになった。

本当に優れたポップソングにはそもそもそんな輪廻性がある。それがまずひとつ。
そして、もうひとつは、今回の『あの花』のヒットとあいまって、再び息を吹き込まれたこの楽曲、そして3人の声優が歌う今回のバージョンがやはり、どこからどう聴いても素晴らしいからだろう。
アニメの物語と、それを背負い、体現するキャストの声。そして、そんな新たな物語を託され、そしてその大きな意味に応えるだけの普遍性をもった楽曲。
そんなすべての要素がそろい、今、あらためてこの楽曲はヒットしている。新たなリスナーの新たな物語を描き出している。すごくいい話だと思う。

この曲の力を信じ、TVシリーズでも劇場版でも一貫してこの曲のメッセージに賭けつづけた作り手とスタッフの信念には頭が下がる。
と同時に、最初のヒットから12年を経て、今こうして新たなリアリティをリスナーに与えることができるこの楽曲のとてつもないスタンダード感には、今こそ脱帽する思いでいっぱいだ。

このLPサイズ盤は本当に最高だ。できればリアルにアナログもリリースしてもらいたいくらいです。
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