終末医療を鳴らすロック

終末医療を鳴らすロック

ブルックリンからまたあらたな才能の登場である。
Peter Silberman、23歳。
彼とドラマー&マルチ・インストゥルメンタリストの2人を加えたのが、The Antlersである。
そのアルバム『HOSPICE』は、タイトルの示すとおり、終末医療をテーマとした作品だ。
末期癌に侵された恋人との終末の日々を描いていくその音は、
ノイズからシューゲイズ、トランペット、Peter自身の泣くような歌声、バンジョー、アコギのフォークと音調を様々に変えながら、
そこに起きた物語を語っていく。
表のジャケットはこのようなイラストだけど、
インナーには病院の写真が掲載されていて、それはNYに実在する癌センターだそうだ。
ちなみにそこは、Vampire Weekendが「A-Punk」で触れている場所でもあるという。

耳をそばだてないと聴こえてこない音から、
熱情にまかせてどこまでも壮大に歌い上げられる楽曲まで、
テーマの持つ重く巨大な質量に全身全霊を持って取り組んだ若きミュージシャンのチャレンジに圧倒される。

というか、アメリカのインディー・シーンは、
このようなテーマを扱うようになっているのか。
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