チャイルディッシュ・ガンビーノ、次のアルバムがラストと今年唯一のライブで語る。フェニックス、マーク・ロンソンVSケビン・パーカーなどNYフェス2日目。

2)マーク・ロンソン VS ケビン・パーカー :豪華すぎるだろうというふたりの共演。しかもステージに組まれたライトがスゴすぎて、ふたりの顔が見えないほど(笑)。
一体何をするのかと思ったらふたりでDjだった。とても楽しそうにやっていて、ケビン・パーカーは、テーム・インパラの曲をかけたり、マーク・ロンソンは、カニエ・ウェストとか、ケンドリック・ラマーとか、ブルーノ・マーズをかけたりしていた。自分達で歌うわけでもなく、演奏するでもなく、超カッコ良いふたりによる、超豪華のチルタイム。ヘッドライナー前に必要だったゴージャスなラウンジにいたような気分だった。

チャイルディッシュ・ガンビーノ、次のアルバムがラストと今年唯一のライブで語る。フェニックス、マーク・ロンソンVSケビン・パーカーなどNYフェス2日目。

3)Rae Sremmurd:私が観た中ではこのフェスで観客が一番盛り上がっていた瞬間。とにかく観客席が大合唱しながら跳ねまくり、しかも、ぎゅーぎゅー押しまくりで、誰か倒れないかと心配になったくらいだった。
マネキンチャンレジの"Black Beatles”などの大ヒットが大きいわけだが、しかし、この日のライブはその曲だけを目指して盛り上がっているわけではないのがよう分かった。何しろ全曲大合唱なのだ。とりわけ、”Look Alive” や、”Swang"などは、正に大合唱にふさわしい曲。アリーナ・ロック的なエモくて強烈でドラマチックなフックがあり、それは、彼らの幅広く、風通しが良く、新しいサウンドを象徴しているようだった。今の大人気の理由を実感した。

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4)ウータン・クラン:この日は、実は『ウータン・フォーエヴァー』が20年前に発売したという記念すべき日。Rae Sremmurdや、イギリスからは、grimeのSkepta とStormzyなども出演したフェスで、王道にして傑作を発売してきた彼らがこのステージに立つというのはより意味が深いものに思えた。この日、ウータンTシャツを着ている20代のファンもたくさんいて、初めてライブを観た若いファンが感激していたのが一番観ていて楽しかった。

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5)Stormyz + Skepta : Skeptaは3日の出演だったのだが、ここはイギリスのgrimeをまとめて紹介。最近ではリンキン・パークが最新作にも起用したStormzyや、ドレイクがサンプルしたSkeptaなど、メジャーシーンも飛びついたクールなgrimeシーンの代表格のふたりが出演。ヘヴィなエレクトロ・リズムに、ストリートのリアリズムを刻むような歌詞。Skeptaは、ストレートに、”It Ain't Safe”などの歌詞で、エッジのある危険さを披露し続けた。途中「本当は去年出るはずだったのに、ビザが降りなくて来れなかった」と言っていたのが、彼の歌詞で訴えている矛盾などとも共通しているように思えた。
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Stormzyも同様に、弾丸のラップを”First Things First”などで披露し緊迫感のあるパフォーマンスを観せてくれたのだが、そればかりではなく、途中KehlaniとのコラボのスロウなR&B曲も披露。「2年前に来た時は200人の会場だったのに、このフェスが呼んでくれて嬉しい」と嬉しそうだった。両者とも、さすがロンドンと思えるような鋭さと、映像も含めクールで、アメリカにはないシャープな危険さがカッコ良かった。アングラ的人気になるのか、メジャーに届くのか、分からないけど、アメリカでも彼らの人気は急激に拡大するだろうと思えた。
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