アメリカでは、1月3日にコロナの感染者数が100万人を超えるという史上最高を記録した。恐らくそういう状況を見て、1月31日にLAで開催予定だった第64回グラミー賞が、去年同様延期されることになった。グラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーから正式にプレスリリースが届いた。
それよると、
「市や州の代表者及び医療専門家の意見を聴き、慎重に検討した結果、第64回グラミー賞は延期することに決定しました。音楽コミュニティ、観客、この授賞式を成功させるために働いてくれた方たちの健康と安全が我々の最優先事項です。オミクロン株をめぐる状況がいまだ不確かなため、1月31日に授賞式を行うのは、単純に危険すぎると判断しました。しかし、音楽最大の夜を祝福するのを楽しみにしています。新日程はすぐに発表します」。
グラミー賞は去年も、1月31日開催予定だったが、クリスマス休暇後に、LAでコロナ感染が拡大したため延期。6週間後の3月14日に行われた。開催地も縮小され、屋外で、観客はなしで、出演者も45分ごとに入れ替えで行われた。パフォーマンスも、事前に録画されたものと、ライブパフォーマンスを合わせて放送された。
今年は、観客を100%入れて行う予定であったため、チケットの収益も見込まれている。屋内での開催の可能性を引き続き探るのではと予想されている。ただし、グラミー賞規模のイベントを行うとなると、その会場を最低10日前からおさえる必要があり、会場となるCrypto.comアリーナ(元ステイプルズ・センター)では4月半ば以降まではそれは無理。同じ会場で行うことを目指すのか、またはラスベガスなどに変更して行うかなど現在検討中だと思う。
今年のグラミー賞は、ジョン・バティステが最多で11部門ノミネートされている他、ジャスティン・ビーバー、ドージャ・キャット、H.E.R.が8部門、ビリー・アイリッシュ、オリヴィア・ロドリゴが7部門ノミネートされている。
司会は去年に続き、”Daily Show”のトレバー・ノアだ。
また、今日同時に発表されたのが、毎年ユタ州で開催されるサンダンス映画祭についてだ。1月20日から30日に行われるが、去年はパンデミックの最中だったため、完全にバーチャルで行われた。今年は、バーチャルと現地での両方で開催の予定だったのだ。
しかし、「オミクロン株の国内での感染率が予想以上であるため、健康対策や、旅行、その他のインフラが限界になると思われます。そのため非常に困難な決断ではありましたが、今年の映画祭は、全てバーチャルで開催することになりました」と。
私は去年はバーチャルで参加したけど、それでも非常に充実した素晴らしい映画祭だったので、今年もなんとか成功して欲しいと思う。
ちなみに今年音楽関係で、楽しみな作品がいくつかある。
1)”Meet Me In The Bathroom”
2000年代初期のNYロック・シーンを描いた同タイトルの本をもとにしたドキュメンタリー映画。ザ・ストロークス、ヤー・ヤー・ヤーズ、LCDサウンドシステムなどローワー・イースト・サイドで起きていたムーブメントを追った内容だ。監督は、Dylan SouthernとWill Lovelaceで、LCDの”最後”のライブを追った『Shut Up and Play the Hits』を監督している。
2)カニエ・ウェストをこの21年間追ったドキュメンタリー3部作”Jeen-Yuhs”。
これはNetflixで今年配信される。監督はCoodie & Chike。カニエのデビュー・シングル”Through the Wire”のMVを監督している。
その他シネイド・オコナーのドキュメンタリー映画などもある。観たら報告します。
ちなみに、アメリカのコロナ感染者数だが、1月3日に100万人を超えたのは、年末年始で各自治体の統計提出が遅れて、一気に3日に集計されたためとも言われている。それまでの最高記録はその4日前の59万人。これも、オミクロン株が症状がなく感染しやすいと言われたため、多くの人たちが年末の休暇で家族に会う前に、念のため検査を行ったためとも言われている。
ただ、昨日1月4日のアメリカの感染者数は88万人で引き続き高い。カリフォルニア州は、14万人。ロサンゼルスは、2万2千人だ。みんな念のため検査しているので、私の近所の検査場も3時間待ちだったりする。
1月31日のグラミー賞が延期となったところで、その直前1月21日に開始予定のアデルのラスベガス・ライブと、その直後の2月3日に開始予定のビリー・アイリッシュの全米ツアーがどうなるのか? 今関係者は頭を悩ませているところだと思う。
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