デヴィッド・ボウイが、キャリア全曲の著作権をワーナー・ミュージックに2億5000万ドル(約288億円)で売却。

デヴィッド・ボウイが、キャリア全曲の著作権をワーナー・ミュージックに2億5000万ドル(約288億円)で売却。

少し前に、ブルース・スプリングスティーンが、全曲のマスターと著作権を売却したことについて書いたが、その時から注目されていた次の大物。
https://rockinon.com/blog/nakamura/201049

デヴィッド・ボウイの財団が、ボウイのキャリア全曲、ティン・マシーンやサントラなどに提供した曲も含めた400曲以上の著作権をワーナー・ミュージックで著作権を世界的に管理するワーナー・チャペル・ミュージック(WCM)に売却したと発表した。金額は公表されていないが、2億5000万ドル(約288億円)と言われている。

これは、スプリングスティーンのマスターと著作権の両方とは違い、著作権のみだが、ボウイはこれ以前の昨年9月に、1968年以降の作品のほぼ全てのマスターをワーナー・ミュージックが管理する契約を締結している。なので、今回の契約で、ほぼ全てのマスターと全曲の著作権がワーナー・ミュージックの管理下になった事になる。

マスターの権利に関しては、1968年以前の1967年のアルバム『デヴィッド・ボウイ』とシングルの何曲かのみが入らないということ。

ちなみに、ボウイは生前の1997年に、自分の作品の著作権料を毎年少しずつもらう代わりに全曲の著作権とコンサートの利益を担保にして、’ボウイ債”を発行している。利益は投資家が分配。アメリカの保険会社が、それを5500万ドル(約63億円)で買い取った。その後続かなかったものの、今のトレンドの先駆けであったと言える気がする。
https://www.ft.com/content/6b4839dd-0539-34c4-bb1d-0edf95255d72

次に売却が注目されているのはスティングだ。

ちなみに、ロンドンとニューヨークでは、ボウイ生誕75年を祝ったポップ・アップ・ストアができている。ニューヨークのストアに行ってみたけど、お土産屋さんというノリで正直少しがっかりした。

今後、マスターや著作権を管理していく人たちは、アーティストのレガシーをどのように後世に伝えていくのか、すごく難しいのではないかと思う。とりわけ288億円も払っている場合は。



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デヴィッド・ボウイが、キャリア全曲の著作権をワーナー・ミュージックに2億5000万ドル(約288億円)で売却。

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