【グラストンベリー】46年間の歴史丸わかりエピソード集後半:1995年~2016年
2017.06.18 12:00
イギリスを代表するロック・フェス、グラストンベリー・フェスティバルが今年も開催される。今年はレディオヘッドとフー・ファイターズ、そしてすでにウェンブリー・スタジアムでのソロ・アクトを達成しているエド・シーランがヘッドライナーを務める。
現在では来場者数17万5千人と世界最大の規模を誇る超巨大フェスティバルとなっているが、もともとは観客数1500人から始まったイべントだった。会場は今も昔も、オーガナイザーのマイケル・イーヴィスのワージー牧場とその周辺地域が使われている。
「エピソード集後半:1995年~2016年」では、25周年を迎えた1995年から安定のUKラインナップを見せた2016年まで、18回に渡るグラストンベリー・フェスティバルのエピソードを紹介していく。
初開催の1970年から、メインステージが火事に見舞われた1994年までを紹介した「エピソード集前半:1970年~1994年」はこちら。
1995年
初開催から25周年。発売から4週間でチケットが売り切れるという、当時は最速の記録を更新した。また、第1回目に出演したアル・スチュワートとキース・クリスマスも出演を果たすことになった。さらにこの年からダンス・ステージも新設され、その後ピラミッド・ステージのヘッドライナーを務めるマッシヴ・アタックのほか、システム7やイート・スタティックらが出演した。
1997年
開催直前に豪雨に見舞われ、この年もまた泥の年となった。ただ、この年から会場では太陽熱を利用した温水シャワー施設が提供されることに。会場の規模も800エーカー(3平方キロメートル超)にまで拡大され、来場者も9万人に上った。
1998年
またしても泥だらけとなったこの年は会場での泥サーフィンが流行することに。来客数は10万人、出演者は17会場で1000組を越える史上最大規模となった。ヘッドライナーはプライマル・スクリーム、パルプ、ブラーで、ほかにもボブ・ディラン、フー・ファイターズ、ロビー・ウィリアムズらが出演した。
1999年
ひさびさに晴天に恵まれた年に。ただ、マイケル・イーヴィスの妻で「マザー・グラストンベリー」と親しまれたジーンが他界し、ジーンに捧げられる開催となった。ジーンを追悼する小枝を編み上げた像が会場に建てられ、さらに花火の打ち上げも行われた。ヘッドライナーはR.E.M.、マニック・ストリート・プリーチャーズ、スカンク・アナシー。なお、数年前にクソ溜め発言で総スカンを食らったマニックスは、今回はメンバー全員が個別トイレを会場に持ち込んだことでビリー・ブラッグを怒らせてしまったという。
2000年
新世紀を迎えてのこの年はピラミッド・ステージが新しくなり、さらに左翼系アーティストのためのレフト・フィールド、また初の屋外ダンス会場のザ・グレイドが新設されることになった。会場は順調に拡張を続けていったが、柵やフェンスを破壊して会場へと突破してしまう押しかけ客にも悩まされることになった。
2002年
チケットなしで会場に突破侵入してしまう客の対策として、ついに会場周囲に鉄柵を張り巡らせることに。ちゃんとチケットを買った14万人のみが入場できるようになった。さらに通常の食器とテーブルを備えたレストラン施設のロスト・ヴェイグネスも新設され、グラストンベリーで夕食用のドレスアップを促す機会となった。ヘッドライナーを務めたコールドプレイのクリス・マーティンは自分たちの出番に駆けつけた観客の歌に「こんな美しい合唱は生まれて初めてだよ」と感動で声を詰まらせる一幕もあった。
2003年
この年はそれまでで史上最高のグラストンベリーともいわれている。とにかく、犯罪や事件なし、(比較的に)押しかけ客なし、雨なし、そしてしびれるラインナップ。しかも収益から寄付に回された各種提携活動団体へのチャリティ総額は、100万ポンド(当時のレートで1億9千万円)越えを記録したのだ。
さらに、フェスティバル空間中の本格レストラン施設、ロスト・ヴェイグネスの人気もうなぎのぼりに。ちなみにヘッドライナーはR.E.M.、レディオヘッド、モービーで、ほかにもマニック・ストリート・プリーチャーズ、ザ・フレイミング・リップス、イエス、プライマル・スクリームらが出演した。
2004年
この年は未契約アーティスト・コンペのステージが企画され、新人バンドにもフェスの門戸が開放されることになった。さらにEURO 2004のイングランド対ポルトガル戦も会場内のヴィジョンで放映され、およそ6万5千人が視聴したとされるが、これは実際の競技会場の観客動員数を越える数字だった。なお、この年はミューズが初ヘッドライナーを務めたが、ドラムのドム・ハワードの父親がバンドのライブを観終えた直後に他界するという不幸もあった。