Xメンとジェームス・ボンド共演

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今年のブロードウェイはなぜかハリウッド・スター揃いだ。Boom Boomの前に、ヒュー・ジャックマンとダニエル・クレイグが共演の”A STEADY RAIN"を観に行っていたのだ。普段は舞台はほとんど観ないけど、あまりに豪華な組み合わせなので、とりあえず観ておこうと思ったのだ。チケットは完売だったけど、何度かトライしたらぽろっと出て来た。この舞台の醍醐味のひとつは、やっぱり『Xメン』のCGもなければ、ジェームス・ボンドのゴージャスな車もないところで、ふたりがどんな演技を観せてくれるのかという部分。ヒュー・ジャックマンは以前ブロードウェイでミュージカルをやっていたこともあったけど、これはふたりが最初から最後まで袖に一度も下がらずに、セットはイスだけで、会話のみで進む、つまり、ふたりの映画の世界から最も遠い場所にある設定。それは観客にとっても俳優にとっても過酷なチャレンジで、だからこそ醍醐味がある。映画とは違って、失敗すれば目の前の観客から直接知らされるわけだから残酷だけど、この日の芝居はその逆だったので、やっぱり行って良かった!なんとも豪華な体験になった。


笑ったのは、終わった後に、「すいません、少し時間を下さい」と。年末恒例でブロードウェイが行うチャリティへの寄付を募ったところ。ヒュー・ジャックマンとダニエル・クレイグがそこで着ていた汗付きタンクトップをサイン入りであげるというのだ。それはいいとしても、なんとそのオークションが1000ドルから始まった。1000ドル??10万円だ、あり得ないよと思ったら、なんと手が挙った。2000ドルでも手が挙がった。3000ドルでも手が挙がった。なんと4000ドルで落札されたのだ!ぎゃー。この不況に。そんな時はさすがにボンドとXメンの威力を発揮だ。しかし、観客席のおばさんがそこですかさず、「パンツはいくら〜〜?」と聞いたのが、なーーーいすだった(笑)。会場大爆笑。ヒュー・ジャックマンはまんざら「売ってもいいよ」という顔だったが、ダニエル・クレイグが「それ、あり得ないから」という顔をしていたので、パンツは売らなかった。


そういえば、しらばく前に、ジュード・ロウの『ハムレット』も観た。シェイクスピアで失敗しようもないが、だからこそ難しい。しかしさすがにジュード・ロウのものとして演じ切っていて良かった。どの芝居も大成功していてブロードウェイも大助かりだ。今年はスターが出演した映画がそれほど当たらなかったと以前に紹介したが、彼らがブロードウェイに出ているのはだからだろうか?面白い脚本が見付からないのかもしれない。そんな時にブロードウェイで大成功するのはすごく前向きなチャレンジな気がする。年末にはなんと、スカーレット・ヨハンセンも舞台に立つのだ。大丈夫か?来年は、資金繰りに難航していたが、U2の『スパイダーマン』ミュージカルも始まるし、グリーンデイの『アメリカン・イディオット』もNYに来る!ハリウッドのみならず、ロック・シーンもブロードウェイに。
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