グレッグ・レイクが69歳で亡くなった。
今年3月にキース・エマーソンが来日直前に突然亡くなったことはとてもショックだったが、まさか同じ年にグレッグ・レイクも去ってしまうとは。
がんで闘病を続けていたという。
暗黒を見つめながらも透明感をたたえたような、静謐な夜の湖のような美しくエモーショナルな彼の歌は、実験的で複雑かつ豊潤なサウンド・スケープが中心のプログレッシヴ・ロックにおいて、リスナーの心の拠り所となる、なくてはならないものだった。
キング・クリムゾン第一期メンバーのボーカル&ベースとして活躍し、1970年にエマーソン・レイク・アンド・パーマー結成。その後も、エイジアのメンバーとして来日、リンゴ・スター・オール・スターズに参加した時は“クリムゾン・キングの宮殿”と“ラッキー・マン”を歌ったそうだ。
2010年、キース・エマーソンとの北米ツアーのあと予定されていた来日公演がキャンセルになったのは、日本のファンにとってはいまだに残念だ。
ロッキング・オンで先日特集したプログレ号(11月号)では、キング・クリムゾンのデビュー前夜のインタヴュー記事を掲載している。ピート・シンフィールドとイアン・マクドナルドが中心で、彼は多くを語っていないが、人柄が表れている。クリムゾンがまだ注目のUK新人バンドだった頃の写真、左手にグレッグ・レイクが写っている。
ご冥福をお祈りします。(井上貴子)
1975年、UKシングル・チャート2位となり、後にU2など多くのアーティストにカヴァーされた“I Believe in Father Christmas”
グレッグ・レイク逝去によせて
2016.12.09 12:16