ロッキング・オン最新号、表紙巻頭はマネスキン! 本能と野性のロックを爆発させる彼らは何者なのか? その正体に迫る!

ロッキング・オン最新号、表紙巻頭はマネスキン!  本能と野性のロックを爆発させる彼らは何者なのか?  その正体に迫る! - rockin'on 2023年3月号 中面rockin'on 2023年3月号 中面

マネスキンと私たちの出会いはあまりにも唐突で、同時にあまりにも完璧だった。過去のロック文脈やポップ文脈では計り知れないその唐突さゆえに、マネスキン現象は様々に分析された。しかし彼らに出会った瞬間に、私たちは本能で完璧に理解したのだった。「これだ」と。これが今日あるべきロックバンドの姿であると。

近年、シーンの趨勢や過去の苦い記憶に伴って、ロックバンドは時代遅れのフォーマットと見なされてきた。しかしシーンの辺境の地からやってきたマネスキンは、過去に縛られない若き4人のかき鳴らすロックンロールは、そうしたしがらみを突き破り、聴く者の本能と肉体に真っ直ぐリーチした。

マネスキンの登場によってロックシーンは俄かに息を吹き返したかにも見えたが、そもそもロックが死んだと誰が決めたのだろう。ロックバンドがグラマラスであることはいつから欠点になったのだろう。そんな呪縛を次々に解き放ち、ロックのギラギラとしたスリルや興奮をその身に纏って降臨したマネスキンは過去を知るオールドリスナーにとっては救世主だが、知らないZ世代にとってはただひたすらにクールな最新ポップアイコンなのだ。

ロックの救世主であり、最新ポップアイコンでもあるマネスキンは、ニューアルバム『ラッシュ!』でさらに巨大なスターダムに向けて躊躇なく加速している。クロスオーバーを無意識下の常態とした彼ららしく、これまで以上に多ジャンルをのみ込み、レトロなガレージパンクから剥き出しのハードコア、過剰にエモいバラッドから恥知らずなほど大仰なメタルまで、ロック自体のバラエティも爆増。その一方でプロダクションは今日的なモダンポップの粋を極めている。2000年代以降のオルタナティブロックの葛藤が嘘のように、彼らはメインストリームを恐れず最強のロックアルバムを作り上げてしまった。

だからと言って、マネスキンはオルタナ以前のオールドロックに先祖返りしたバンドというわけではない。彼らのロックンロールはアグレッシブだが、それは自分や他人を傷つける暴力性とは程遠いポジティブな力だ。怒りや焦燥はあっても、ニヒリズムに陥ることはないし、無邪気さとしたたかな合理性をも兼ね備えている。常に明日を信じて突き進む彼らは驚くほど身軽で、ロックの幻想から自由な存在だ。あくまで「今」を生きる「夢」のロックバンド、それがマネスキンなのだ。(粉川しの)




マネスキンの総力特集は、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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