現在発売中のロッキング・オン9月号では、レディー・ガガのコーチェラライブレポートを元に、ライター:粉川しのがつっこみや補足を入れつつ、ガガのステージをさらに深く掘り下げます。
以下、本記事の冒頭部分より。
「レディー・ガガは3Dチェスをプレーしない」などと、決して言ってはならない。実際、4月11日の夜、コーチェラのヘッドライナーを務めた彼女は、ステージ演出の一つとして、「3Dチェス」と呼ぶほかないパフォーマンスを披露したからだ。
その様子を伝えたライブ配信では、ドローンカメラが約300メートル上空から、巨大なチェス盤を模したセットが設けられるBステージの様子を捉えた。そのスケールは現地参戦の観客たちからの目線では全体像を把握できないほど壮大だったが、ドローンカメラのおかげで、家のカウチ(ソファ)から見守った「カウチェラ」勢はこの“ポーカー・フェイス”のパフォーマンスを満喫できたはずだ。
粉川――“ポーカー・フェイス”の演出がまるで「3Dチェス」だった、というのは言い得て妙。でも、伝説級の名演となったレディー・ガガのコーチェラにおいて、巨大なチェス盤が出現するなんてまだまだ序の口で、『オペラ座の怪人』と『メトロポリス』と『不思議の国のアリス』が魔合体したかのようなそのコンセプトステージは、2020年代のポップミュ—ジックの範疇において最も過剰でラディカルな創造物だったと言っていい。何しろオープニングからして凄まじくて、巨大な灯籠のようなガガのスカートが開帳すると、中は鳥籠のようになっており、沢山のダンサーが躍り出てくる……と書いても実際に観ていないとイメージできないかもしれない。来日公演で恐らく見られるはずなので、想像を膨らませておいて欲しい。実物は想像より3倍くらいブッ飛んだものになるだろうけれど。
これはまさに脳裏に焼きつくような、印象的な瞬間だった……はずだったが、それから1時間も経つころには、その内容を思い出すのさえ難しくなっていた。その間、ステージでは、どれをとってもハイライトと呼びたくなるような歌とダンスを融合したパフォーマンスが、これでもかと披露されていたからだ。(以下、本誌記事へ続く)
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