ポール・ウェラーが生涯を刻んだ1枚:『ファインド・エルドラド』——彼は何を聴き、求めてきたのか? “モッズ・ファーザー”を動かす好奇心を語った決定版インタビュー

ポール・ウェラーが生涯を刻んだ1枚:『ファインド・エルドラド』——彼は何を聴き、求めてきたのか? “モッズ・ファーザー”を動かす好奇心を語った決定版インタビュー

現在発売中のロッキング・オン9月号では、ポール・ウェラーのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。



「自分自身、もう出尽くしているし、もうすべて聴き尽くしたんじゃないかな?と思うことがあるんだ。けど、そういうタイミングで新鮮な驚きに打ちのめされるんだ。だからこそ、今でも音楽に胸をときめかせているんだろうね」


●『ファインド・エル・ドラド』の着想はいつ、どのような経緯で生まれたものだったんですか?

「構想自体はだいぶ前から練っていて……3年か4年、まあ、3年ってところかな。ここ2、3年くらいの間で候補になる曲を溜めててね。今年は自分自身の曲作りやツアーからしばらく離れようと考えていたので、カバーアルバムを出すのにちょうどいい時期だと思ってね。さらに今回、スティーヴ・クラドックがプロデュースを全面的に請け負ってくれたおかげで、自分はそれほど多くの作業をする必要もなく、実質的には、ただ曲をセレクトして、スタジオに現れて歌うことくらいしかしてないんだよ、本当にね。頭の中でずっと構想を練っていたものを、この機に実行に移してみた、みたいな感じだよ」

●本作はあなたのルーツを巡る旅のようなアルバムですが、自分のコアにあるものを見つめ返したいという気持ちが芽生えた、何か具体的なきっかけはあったのでしょうか?

「ああ、確かに自分のルーツを振り返るような作品でもあるね。とはいえ、今回、選んだ曲の多くはここ数年で初めて耳にしたものも多くてね。ずっと前から知っている曲もあれば、最近になってから出会った曲もあるし。ただ、これなら何とかいけそうだと思える曲の候補を頭の中でリストアップしていったわけさ。しかも、セレクトした曲のどれもお互いにすごくしっくりいったんだよね。今回やったことに何かしらの理由があるとしたら、単にこれらの曲を試してみたいという純粋な好奇心というかチャレンジ精神から……単純にそれ以上でもそれ以下でもないんだ」

●前作『66』もご自身の人生を見つめ返すような円熟の境地の一作でしたが、『ファインド・エル・ドラド』はそんな『66』と同様のマインドセットで作られたアルバムですか?

「というか、『66』にしろ今回の『ファインド・エル・ドラド』にしても、自分にとっては他の作品同様、これまで自分が出してきた数ある作品の一枚という位置づけなんだよね。唯一の違いはカバーの場合、いちいち批判的な視点で曲に臨まなくて済むというのがあってね。そもそも曲自体はすでに完璧な形としてこの世に存在しているわけだから、フラッとその世界に入っていって、好きなように楽しむだけでいい。自分が新たに書く曲とは違って、もっと気楽に楽しめるわけさ。愛情のこもった手仕事みたいな、そもそも自分がお気に入りだった曲にさらに愛情を込める作業をしていったみたいなものでね。だからと言って、そこにそれ以上の何か特別な意味だの大義名分があるわけではなく、普通にただのレコードっていう感じだよ。これが過去何十年にも亙って自分が今までやってきていることなんでね」

●自分を形成した大事な曲群のカバーアルバムというよりも、そこまで気負っていない感じでしょうか。

「そうだね、そのへんの気負いは全然ないね。ただまあ、普通にみんなが知ってるものもあれば、おそらくそこまで知られていないであろう曲も入ってるし、カバーアルバムには自分がそれまで知らない曲を発見する楽しみもあると思うんだ。だから、この作品を通じて、これまでのアンテナに引っかかってこなかった曲なりミュージシャンに興味を持つきっかけになってくれたら、という思いもある。それって、まさにカバー作品だからこそもたらすことのできる素敵な出会いなわけじゃないか」

(以下、本誌記事へ続く)



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