レディー・ガガのステージを観た

レディー・ガガのステージを観た

スピード感のある、とても優れたエンターテイメント・ショーだった。そこで思ったのはレディー・ガガの治療が進んだということだった。前回のライブは女性器を連想させる巨大セットに象徴されるように、レディー・ガガのアングラ性というか、一種のノイズを物語性のあるエンターテイメントに仕上げたショーだった。
観客の前で自らの暗黒を曝け出すことにより、その暗黒を昇華させ治療していくステージの迫力は凄いものだった。
スプリングスティーンは昔、自分のライブは嘔吐みたいなものだ、と言っていた。人は4時間もライブをやって凄いというが、自分は4時間やらないと嘔吐しきれないだけだ。そうしないと眠れないんだ、とも言っていた。
優れたアーティストのライブは大なり小なり、そうした性格をもつのだ。
今回のガガのステージに、そうした嘔吐性は多くなかった。
治療が進んだ、と感じた。
ガガのポップスが救済をテーマにしていることは本人が何度も語っている。それは聞き手の救済であり自らの救済でもある。治療は進んだがガガのポップスが救済の音楽であることは同じだ。
より力強い救済の音楽へ向かおうとする彼女の強く意志を感じるステージでもあった。
渋谷陽一の「社長はつらいよ」の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする