ロバート・グラスパーの手になるマイルス・デイビス・トリビュート・アルバムは、何故「すべてが美しい」というタイトルになったのか

ロバート・グラスパーの手になるマイルス・デイビス・トリビュート・アルバムは、何故「すべてが美しい」というタイトルになったのか
アルバム・タイトルが「エブリシングス・ビューティフル」となった理由を、ロバート・グラスパー自身がライナーノーツに書いている。
まだエレクトリック・ピアノが出たばかりで、楽器として評価が定まっていない時期、スタジオにあったエレクトリック・ピアノを見てマイルスが言った言葉だそうだ。
マイルスは「あれ知っているか?あそこにあるエレクトリック・ピアノだよ」とドラマーのジョー・チェンバースに話し掛けた。そして「見たこともなかったものだろう?でもな、すべてが美しいんだ。すべてが美しい」と続けたらしい。
素晴らしいエピソードだと思う。
ロバート・グラスパーはマイルスが何に対しても、オープンで自由な心を持った人であることを象徴するエピソードと考えたようだ。
そのオープンで自由な姿勢がこのトリビュート・アルバムのテーマでもあるのでタイトルにしたようだ。
マイルスの言葉も素晴らしいし、それを選んだロバート・グラスパーも凄いと思う。
エリカ・パドゥ、ハイエイタス・カイヨーテ、キング、そしてスティーヴィー・ワンダーというロバート・グラスパーにしかできないキャスティングでアルバムは作られた。他の参加ミュージシャンも素晴らしい。今週のワールド・ロック・ナウで紹介したい。
いつまでも聞いていたい中毒性のある作品で、今日はこればかり聞いている。
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