日経ライブレポート「今年の収穫」

① フジロック・フェスティバルのケンドリック・ラマー(7月、苗場スキー場)
② サマーソニックのチャンス・ザ・ラッパー(8月、ZOZOマリンスタジアム)
③ ザ・レモン・ツイッグス(11月、TSUTAYA O-EAST)

フジロックで観たケンドリック・ラマーのステージは、きっと今のポップ・ミュージック・シーンで最も優れたものだったと思う。時代のリアル、表現の先鋭性、エンターテインメントとしての質の高さ。全てがそこにあった。
サマーソニックのチャンス・ザ・ラッパーは想像以上にドラマチックなステージだった。CDなどのフィジカルな音源を基本的に発表しない彼にとって、音楽の肉体性がどこにあるのかを強く主張するようなパフォーマンスが強く心に残った。
ザ・レモン・ツイッグスは時代性を失いつつあるロックがしっかりと時代と向き合った表現として、若い世代の共感を獲得できることを示したライブだった。

(2018年12月27日 日本経済新聞夕刊掲載)
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