菅は圧勝ではない?

党員、サポーター票はポイントでは249対51だが、票数は13万7998対9万194で大差とは言えない、という分析がある。
小沢陣営からもそんな声が上がっている。
僕の見方は全然違う。
今回、投票したのは民主党の党員とサポーターなのだ。つまり、とても熱心な民主党支持者である。その人たちのなかでこれだけの差が生まれたのだ。
有権者全体ではもっと大きな差になっただろう。
小沢を支持できないから民主党を支持できないという人と、小沢を支持するけど民主党は支持できないという人、どちらが多いか僕は明白だと思う。
民主党支持者以外に小沢と菅を選ばせたら、差はこんなものではないだろう。
無論、そんな事はやってみないと分からないが、僕はやってみなくても明白だと思う。
つまり党員、サポーター票の差は、有権者全体の意志の縮小された反映であり、分析すべきはその全体の動向なのだ。相変わらずメディアはこうした一見玄人っぽく、でも本質を見誤った分析や、内閣の人事予想といった、僕からすればさほど重要とは思えない事に紙面を割いている。政治家もメディアも本当に政治村という小さなエリアのなかでしかものが見えなくなってしまっている。
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