日経ライブレポート「SUMMER SONIC 2011」

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(レッチリ)から少女時代まで、とにかく今年は盛りだくさんだった。

初日の昼12時、まず最初に観たアーティストが、今年の最大の収穫とも言っていいOFWGKTA。日本での知名度は低いがアメリカ本国では、そのデビューそのものが事件とも言っていい騒がれかたをしているヒップホップ・グループ。ヒップホップという表現が当初持っていた過激なエネルギーや直接性を、この2011年に甦らせた若い新人グループである。ステージで放つエネルギーの絶対量の多さに圧倒された。しかも音はポップで洗練されている。

実はサマー・ソニックは毎年ヒップ・ホップのラインアップも充実していて、こうした本国との人気格差のあるグループもフェスならではのブッキング(出演契約)で観る事ができて嬉しい。一番大きなステージにはビーディー・アイとザ・ストロークスという注目バンドが登場して、期待通りのパフォーマンスを展開してくれた。日本初登場となる元オアシスのリアム・ギャラガー率いるビーディー・アイは想像した以上の安定したライヴでファンを安心させた。

2日目は伝説のパンク・バンドの復活から少女時代、X JAPANまで、本当に幅広いラインアップで、きっと観たアーティストによって、それぞれにこのフェスに対するイメージが違うのではないだろうか。でもなんと言っても注目は新しいギタリストが加入したレッチリ。ヒット曲主体の選曲だったせいか、これまでのイメージをしっかり継承している感じだった。

洋楽、邦楽、音楽ジャンルを問わない混沌としたアーティスト選択は、このフェス独特のグルーヴを生み出していた。

8月13〜14日 幕張メッセ、QVCマリンフィールド
(2011年8月23日 日本経済新聞夕刊掲載)
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