巨大なセットと洪水のような照明の攻撃にたじろぐ。ちょっと予想したものと違うぞ。
しかし興奮に揺れるマリン・スタジアムを見れば、まさにこれがみんなの求めるリアーナである事は明らか。
数年前に見たスプリングルーヴでのリアーナ、その歌の生々しさ、肉体の圧倒的な存在感、とんでもないものが出て来たという驚きがあった。何かヤバいはみ出し感があった。そしてスーパースターとなった今でも、彼女は登場当時のヤバさを持ち続けている。
しかし今回のライブでのリアーナはピカピカの抽象化されたスーパースターだった。
それが意図的なものであるのはエジプトのスフィンクスがモチーフとなっている演出によく表れている。
ひょっとしたら無意識なのかも知れないが、僕には必然のように見えた。
そこでリアーナは与えられた役割を見事に果たしていた。
作品やPVでの思い切ったはみ出し感やサブカル感と、このハリウッド・スペクタクルなライブの振れ幅が凄いし、したたか。