「アベノミクス」の金融緩和は、デフレ脱却への道筋とはならない

「アベノミクス」の金融緩和は、デフレ脱却への道筋とはならない
この号のサイトを改めて見ると、かなり今の日本の空気から浮いている感じがする(笑)
言うまでもなく、いつもと同じように冷静に状況を見つめ、的確な分析、批評を行っているつもりだ。
しかし、今の日本の浮ついた空気のなかでは、異質なものに見えてしまうかもしれない。この号の巻頭言にも書いたが、日本人はもう少し冷静になった方がいい。
だいたいアベノミクスの評価がめちゃくちゃ。
年末に政権交代があり、予算もつい最近できたばかりで、実質何も安倍政権はやっていない。
日銀に金融緩和させると言っているけど、まだ何もやっていない。
でも世間はアベノミクスで景気が良くなったとはやしている。どう考えても変だ。
麻生大臣が正直に「何もやっていないのに」と言ってしまったが、本当にその通りなのだ。
でも景気が良くなりそうなんだから、いいじゃないかと思う人も多い。その通りだが、それをアベノミクスのおかげというのは止めないか、というのがこの号のサイトのメッセージ。
為替トレンドが円安に変わったのは民主党政権時代。つまりアベノミクスは関係ない。違う理由で円安になったのだ。その原因を冷静に分析するべきだ。そうすれば、これからの円高対策の正しい処方箋が書ける。ところが今の日本はアベノミクスで円安になったと浮かれてしまっている。明らかな間違いだ。そこから正しい処方箋は出て来ない。
こんな当たり前な事も冷静に分析されてないのだ。
小野善康さんに安倍内閣の経済政策の問題点を指摘していただいた。
そこには目からウロコの指摘がたくさんあった。

「アベノミクス」の金融緩和は、デフレ脱却への道筋とはならない

それがこのグラフ。マネタリーベースと消費者物価指数というタイトルから、難しい経済学の授業みたいで引いてしまうが、実はいたってシンプルなグラフ。
横がお金の量、縦が物価。1990年代初め通貨の発行量は40兆円だったが、2000年代は120兆円まではね上がっている。しかし物価は見事なくらい変わっていない。
通貨の発行量を増やして物価が上がったのは80年代までなのだ。つまり90年代に入って日本経済の構造は変わってしまったのである。
この変化を冷静に分析し対策を考えるべきだろう。
金を刷ればデフレは終わるというアベノミクスは余りに粗雑で無責任だ。40兆円から3倍の120兆円まで金融緩和しても変わらなかったデフレ構造を、どれだけの金融緩和で変えるというのだろう。
こうした冷静な状況分析を、外交、憲法、原発などをテーマに、この号のサイトでは行っています。
是非、読んでください。
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