電力が足りているのに原発再稼働。その欲望が怖い。『SIGHT』最新号、本日発売です!


3・11の東日本大震災に続いて起こった福島第一原発の事故から、もうすぐ6年が経とうとしています。原発がどれだけの危険を伴うものなのか、改めて世界中にその深刻さを知らしめたにもかかわらず、この日本ではいまだに稼働中の原発があり、さらなる再稼働が目指されています。また、原発がなくても電力供給が逼迫しないことはすでに明らかであり、世論調査でも一貫して6割程度の人々が、原発再稼働への反対を表明し続けています。

それなのに、なぜ日本はいまだに原発をやめられないのか。そんなシンプルな疑問から始まった今回の『SIGHT』は、政治、経済、社会のあらゆる視点から、その根深い問題をはっきりと暴き出しました。原発とは、単なる電力供給の問題を超えた、日本社会に巣食う病理の象徴なのです。

そうだとすると、日本が本当の意味で「脱原発」を果たすためには、いったい何と向き合わなければいけないのか。そこではやみくもに反対を叫ぶのではなく、原発のない社会はどうあるべきなのか、その新たな選択肢まで示す必要があります。『SIGHT』は今回も様々な方にご登場いただき、その道筋まで示すことができた一冊になりました。

ご登場いただいた方とテーマはは下記の通りです。ぜひ、書店でお手にとってください!
(順不同・敬称略)

開沼 博 社会学者/立命館大学准教授
原発をなくすためには、「世間が望む福島」と「現実の福島」のズレに向き合わなければならない

吉岡 斉 九州大学教授
「原子力立国」の崩壊を認められない政府と電力会社が、国民にツケを払わせている

坂本龍一
脱原発が導く、明るく正しい世界の在り方を示さなければならない

田中秀征 民権塾主宰/元経済企画庁長官
日本人の頭と実力と勤勉さがあれば世界の電力供給を変えるぐらいの明るい未来はある

保坂展人 世田谷区長
「脱原発区長」が5年をかけて実現した、原発に頼らない地域生産型エネルギーが示す革命の一歩

中野洋一 九州国際大学教授
絶対に採算の取れない原発ビジネスを回し続ける、「原発マネー」の呪縛を絶たねばならない

猿田佐世 新外交イニシアティブ事務局長/弁護士
日米関係を歪め続け、それでも原発をあきらめない歪んだ欲望を止めなければならない

内田樹 哲学者・神戸女学院大学名誉教授/武道家・凱風館館長
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高橋源一郎 文芸評論家・作家/明治学院大学教授
総論対談:一人称で語らない上から目線の「正義」はもういらない