コールドプレイの東京ドーム公演を観て思ったこと

コールドプレイの東京ドーム公演を観て思ったこと
予想はしていたが、レーザーやLEDリストバンドやら紙吹雪やらバルーンやらパイロ(炎)やら、最初から最後までとりあえずやれるだけやりまくる感じの予想以上の大エンタテインメント大会。
とにかくスタートからエンディングまでずっとクライマックスで、サビだけの歌が続いているような、まるでEDMフェスのような、圧巻の2時間強だった。

最初はシンプルで質実剛健だったバンドがいつの間にか超スケールの大エンタテインメント・ライブをやるという意味では、コールドプレイはまさしくU2に続く、あるいはその記録を更新しつつあるUKバンドかもしれない。ほとんど何の脈絡もなく計4回も客席に大量のカラフルな紙吹雪が噴射される、という「タガが外れた感」は、U2どころかテイラー・スウィフトのドーム公演をも超えていた。


でも、チェインスモーカーズとのコラボ曲「サムシング・ライク・ジス」を飛び跳ねながら歌っているクリス・マーティンを見ながら「この人、変わらないな」と思ったのも事実だ。
バラード・バンドと呼ばれていた頃の「イエロー」にも「イン・マイ・プレイス」にも、当時の他のUKバンドとは違うクリス独特のスケール感、壮大さがあった。(僕はそれを当時「大陸的なメロディー」と書き表していた)。
クリス・マーティンがもともと持っていたその壮大さ・スケール感が、エレクトロニックなサウンドやステージの演出によって肉体化/具象化されたのが今のコールドプレイの楽曲やライブなのだと思う。
実は本質は何も変わっていない。

その証として、コールドプレイのライブでステージ上にいるのは変わらぬ4人のメンバーだけである。
サポートメンバーやマニピュレーターの類は誰一人いない。

質実剛健なソングライティングを堅持しながら、そして4人のロック・バンドという形を堅持しながら、ここまで「ポップの時代」にアジャストすることに成功したコールドプレイを、僕は誰がなんと言おうと偉大なバンドだと思う。
山崎洋一郎の「総編集長日記」の最新記事
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