今のリトル・シムズをKANDA SQUARE HALLサイズの会場で観れるのはラッキー。しかもDJとリトル・シムズの2人編成にも関わらず、トラックも歌もラップもサウンドがパワフルでリッチで、言うことなしのコンディションだった。
最新アルバム『Sometimes I Might Be Introvert』の曲をメインに畳み掛けて、フロアはどんどんボルテージが高まっていく。『Sometimes I Might Be Introvert』がどれほど素晴らしいアルバムであるかが改めて証明されていく。このアルバムに何度も打ちのめされるような感動を与えられてきた自分も、ライブでさらにその凄さを目の当たりにさせられた。
初期の頃からインディー界隈で試行錯誤を重ねてきたビートとサウンドの実験が、独自のビート美学、ビートエンタテインメントとして完全に開花している。
アフロアメリカンのアイデンティティとは全く異なる、UK在住のナイジェリアからの移民二世のアイデンティティから生まれたリリックが示唆するものが心を揺さぶってやまない。
そして、レコードからも十分に伝わってはいたが、ライブではっきりと立ち昇っていたアフロなビート、アフロなフロウ。この生々しい匂いは、紛れもなくUSではなくUKラップの感触だ。
本当に素晴らしいライブだった。カマシ・ワシントンも出たODD BRICK FESTIVAL 2022でのライブはどんなだったんだろう?(山崎洋一郎)
リトル・シムズの単独来日ライブを観た
2022.09.24 22:30