チャーリー・プースの来日公演を観た! ソングライターとしてもすごすぎるがパフォーマンスも完璧だった

チャーリー・プースの来日公演を観た! ソングライターとしてもすごすぎるがパフォーマンスも完璧だった - pic by Masanori Doipic by Masanori Doi

ある意味では時代に逆行するかのようなサウンドとソングライティングを貫いてそれが却って新しさとして大きな人気のきっかけとなっているチャーリー・プースの来日公演。世界ツアーは実質的にこの日が最後で、あとはアメリカで2公演残すのみとなる。

最新作『ヴォイス・ノーツ』はチャーリーの独自のポップとR&Bを見事なまでにコンパクトに打ち出した作品だっただけに楽しみだったが、公演開始直前に会場で流れていたSEをいったん切って、スタッフがマイケル・ジャクソンの"P.Y.T."を大音量で鳴らし始める。どうやら音の手応えを確かめていた模様。それにしても"P.Y.T."とはいかにもチャーリーらしい。

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会場が暗転して大歓声の中、メンバーがひとりずつステージに上がり、のっけから観客の気持ちを焦らすようにようやくチャーリーが登場して歓声が爆発すると演奏は"The Way I Am"へ。コーラスに入ると本当に音の存在感が圧倒的で、会場そのものをこのファイヴ・ピース・バンドのグルーヴで揺さぶっていく勢いで素晴らしい。

続く"Slow It Down"はどことなく全盛時のホール・アンド・オーツとマイケル・マクドナルドをまったく新しい感性として聴かせる名曲だが、このパフォーマンスの素晴らしさを前面に打ち出しつつも、チャーリーの傑出したソングライティングについても唸らされる見事なパフォーマンスとなった。続く"How Long"も同様にチャーリーのR&Bセンスを十二分に引き出す演奏となりつつ、演奏の終盤ではショルダー・キーボードによるチャーリーのキーボード・ソロを聴かせる展開となってチャーリー自身のミュージシャンシップも披露する一幕となった。

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この独特なチャーリーのセンスを一番堪能できて嬉しかったのはシングルにはなっていない"LA Girls"で、どこまでもオーソドックスなR&B演奏なりつつも、どういうわけだか90年代R&Bを思わせる佇まいをじんわりと染み出させるこの楽曲そのものが天才的というか、個人的にはツボなのだ。それはライヴでも見事過ぎる出来で、おまけにチャーリーがショルダー・キーボードで鳴らす音がまたどこか『ザ・クロニック』期のドクター・ドレー的だったのがあまりにも楽しい展開だった。

セットは『ヴォイス・ノーツ』から10曲、ほかは『ナイン・トラック・マインド』のヒット曲4曲とアンコールでは出世曲となった"See You Again"を披露。終始会場がシンガロング状態になっているところも楽しかったし、どの曲でも歓声が上がるこの熱い人気がとても心地よかった。(高見展)

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※レポートは11月22日の東京国際フォーラム公演ですが、ライブ写真は11月21日の幕張メッセ公演のものです。
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