これは有望新人ではないでしょうか

ATLANTIS AIRPORT『a [ 360° ] Cosmic Flight』
2015年04月01日発売
MINI ALBUM
ロッキング・オンが主催する「RO69JACK 2014」で優勝、昨年のRIJFでもオープニング・アクトをつとめたという3人組。これが初の全国流通盤となる5曲入りミニアルバムだ。

女性ヴォーカル、キーボード、ピアノ(キーボード)、ベースの3人で、ドラムスはサポートのようだ。ギターも鳴っているがサウンドの組み立てはキーボード中心。

まったくのノーマークで今回初めて聞いたのだが、いきなり英プログレの大御所バンド、イエスの楽曲を思わせるキメの一節が登場する1曲目“光と影の間”で一気に引き込まれてしまった。ポストロックとプログレとマスロックを融合してボカロP以降のスピード感と密度でぐいぐいと加速していくような、そのダイナミックでドラマティックなグルーヴ感は新人離れしている。

2011年の結成というからキャリアはあり、技術的には申し分なく、緻密に構築された演奏はライヴ映えしそう。歌ものポップスとしては、メロディにもう一押し、ヴォーカルにもう少ししなやかさがあればと思うが、そこらへんは追い追い身につけていけばいいでしょう。要注目。(小野島大)