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『BOYS & GIRLS』ではなく『BOY & GIRLS』というタイトルからしてかやゆー節炸裂のメジャーセカンドフルアルバム。自分のクズな部分をあらかじめ曲にしておくことで、「裏切られた」とか「そんな人じゃないと思ってたのに」といったしょうもない声が上がることを封じ込めることがかやゆーのひとつのスタイルだが、ジャンクでノイジーな“有線ラジオで僕の歌が流れていたらしい”で空気より軽い女と犬みたいに馬鹿な男と最後までしつこい女ととことん単純な男を揶揄しつつ、夜の渋谷を《きっとこの世界じゃ愛とか正義とか関係ない》と言い当てる冒頭から冴え渡っている。野音限定CDに収録されていたガレージパンクナンバー“禁断症状”と“不純愛ラブストーリー”のアルバムバージョンはとことんやりたい放題で特に最高。一方、まさに純愛ラブストーリーなまっすぐな失恋バラード“さよなら、初恋”も他の曲と同じだけ輝いている。その時の気分と衝動から生まれた曲しか存在しないアルバム。だから素晴らしい。(小松香里)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年12月号より)
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