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3分30秒、あなたの時間をくれ。そして、このベースレスバンドの“Sonic Boom”という新曲を聴いてくれ。たった3人の人間がどれほど壮大なものを創造しうるか、あなたは知るだろう。え、「ただのシンプルなロックじゃないか」って? バカ言うな。ここには連綿と続く歴史と、駆け抜ける今と、獲得すべき未来がある。バンドの熱気を真空パックしたサウンドがあり、生々しい楽器と爽やかなコーラスの魅力的な絡みがある。消えることのない虚しさと諦念があり、それを乗り越える力強い眼差しがある。現実と祈りがある。時代の要求ではなく、時代の先を見つめる力、すなわち「夢」がある。この曲は僕らに《どうする?》と問いかけている。この曲には、僕やあなただっている。ザ・ホワイト・ストライプスがロックの殿堂入りした年に《形を変えてそこにある/デトロイトのブルーズは今日も鳴ってる》と歌う最高の男女ツインボーカルバンドに出会えたこと、僕はかなり本気でロマンティックに受け止めている。(天野史彬)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年1月号より)
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