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メタルコア~ヘヴィオルタナの究極形を体現するようなエクストリームな凄味に満ちたアルバムの全13トラックのうち7曲が、タイアップ曲として時代を彩る楽曲でもある、という今作の構成が、ソロアーティスト・HYDEの在り方を明快に象徴している。ロックのエッジを極めれば極めるほど、HYDEの表現は壮大なスケール感と、聴く者すべてを現実の重力から解き放つダイナミズムを獲得していく――。轟音と重低音の渦から妖艶な旋律を突き上げるHYDEの絶唱は、混沌の時代を生きる我々の「その先」を指し示す灼熱の希望そのものとして響いてくる。“LET IT OUT”に“DEFEAT”“PANDORA”“TAKING THEM DOWN”……前作『ANTI』から約5年ぶりとなる今作『HYDE[INSIDE]』は、世界と対峙するラウドロックアイコン・HYDEのクリエイティビティと闘争心を厳然と突きつけてくる。最後、“SOCIAL VIRUS”から“LAST SONG”へと流れる終幕の展開に至るまで、すべてが熾烈な迫力と美しさに貫かれた名盤だ。(高橋智樹)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年12月号より)
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