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Bray meの音楽は、リスナーの心を上向かせる言葉と音の連続だ。端的に言い表すならば「まっすぐ」なこの作風は、何度も打ち砕かれた心の上に成り立っているのだと、今作を聴くとよくわかる。収録されている曲の多くは、「これでよかったのだろうか?」という想いを度々滲ませる。「この生き方を選ばなければもっと穏やかな日々を送れたのかも」と思いつつも、そうではいられなかった性分の自分を受け入れている姿が伝わってくる。膨大な量の後悔と迷いを噛み締めた末に辿り着く「それでも……」と、その先で手にする強い意志が、Bray meの表現の源なのだと思う。そして、決して手放すことができなかったものとは他でもない、音楽なのだろう。「自分」として存在する以上は、どれだけうまくいかないことばかりでも「自分」として最大限に生きるしかないのがこの世に身を置く我々の厄介な宿命だ。Bray meの音と言葉は他人事ではない。前向きなメッセージを添える音楽に対して斜に構えてしまう人にこそ触れてほしい。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年2月号より)
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