爽快なること風の如しの闘争宣言

Ken Yokoyama『I Won't Turn Off My Radio』
2015年07月08日発売
SINGLE
「I Won't Turn Off My Radio(オレはラジオを切らないよ)」というタイトルが至って自然に「オレは闘いをやめないよ」と同義のタフネスをもって響いてくる人はそういない。そして、《パンクロックは学校よりも大事なことを教えてくれるのさ》(“Dance, Sing, Then Think”訳詞)というフレーズに問答無用の説得力と訴求力で撃ち放てる人もそういない。震災後の日本におけるパンクロックの使命感をフルブーストしたアルバム『Best Wishes』以来約2年半ぶり新作となる今作から浮かび上がるKen Yokoyamaの表情はどこまでも晴れやかで、挑戦的だ。ラジオという「かつて時代の最先端だった存在」へのシンパシーを極上のメロディと快走ビートに重ねながら、最新型のやつにも負けないぜとばかりに意気揚々と極太の闘争心を掲げる“I Won't Turn Off My Radio”。《お前から見えなくても オレはお前を見守っているよ》(訳詞)と豊潤なコーラス越しに力強い包容力を滲ませるミドルナンバー“Never Walk Alone”。2015年の今パンクは、ロックはこう鳴ってほしい、という必然そのものの音と歌がここにある。(高橋智樹)

“I Won’t Turn Off My Radio”