今作『ジパング』は原点回帰、Kenmochi Hidefumiが全サウンドプロデュースを担当。今年4月にオオルタイチ、OBKR(from N.O.R.K.)をプロデューサーに迎えた初EP『トライアスロン』をリリースし、15本の夏フェス出演を経て、コムアイの肉体性が格段に高まり、彼女の天真爛漫さと水カンというグループを彩るパワーにブーストがかかっている。前作以降に外側から受けた刺激によって水カンの今まで眠っていた細胞が活発に動き始めたことがわかる決定的な作品だ。
エジプトの太陽神“ラー”や“小野妹子”など大陸文化を軸にひとつの妖しい旅を想起させる今作。前作の系譜を次ぐエレクトロやテックハウスのサウンドはよりソリッドになり、なおかつEDMなど新たな表情を見せてくれる水カンの世界にどっぷりと引き込まれていってしまう。もちろんエスプリの利いた遊び心も健在。個人的には“シャクシャイン”の《冬はサビーナぁ》で、道産子にはお馴染みの某CMのフレーズを思い出しニヤリとしてしまった。’15年前半でとてつもなくしなやかな筋力をつけた彼ら。今、水カンを体験しない手はない。(飯嶋藍子)