バンドサウンドを鳴らす必然

Galileo Galilei『Sea and The Darkness』
2016年01月27日発売
ALBUM
Galileo Galilei Sea and The Darkness
前作アルバム『ALARMS』、そしてミニアルバム『See More Glass』と来て、いよいよGalileo Galileiの陶酔感溢れるサイケポップとヒリヒリした詩情は、ひとつの確固たるスタイルとして極まってきているのではないか。そんなことを思わせる通算4作目のフルアルバムである。「閃光ライオット」でグランプリを獲得した鮮烈なギターポップは、初のフルアルバムを出す頃には色とりどりの花が一斉に開くようにふくよかなものになった。セカンド『PORTAL』の時期には、大胆にプログラミングを導入したダンサブルな楽曲を響かせていた。ガリレオは自らの急成長に忠実なサウンドを鳴らしてきたが、自分たちの核にあるものを探り当てたのではないかと嬉しくなってしまうのである。奥行きを増したギターサウンド、そして生ドラムの響きにも注視したという今回のプロダクションは、エレクトロ路線のトレンドとは逆の方向でバンドサウンドの必然を伝えている。海外のエンジニアとタッグを組んでも、ガリレオの音は単なる洋楽志向にはならない。こんな歌はガリレオにしかない。繰り返し聴くほどに味わいを増す一枚だ。(小池宏和)
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