渡辺大知が出演したNHK朝ドラ『まれ』の劇中で活躍していたバンド「little voice」名義でのリリースはあったものの、黒猫チェルシーとしては、実に4年ぶりのシングルとなる。移籍第一弾のタイトルは『グッバイ』。泣きのギターとどっしりしたビート、そして真っ直ぐな歌が響いてくるバラードだ。いつだって背伸びして、着飾って、時代と世代の裏側を探してきた彼らの再出発は、驚くほどに丸裸なものとなった。10代らしからぬドロリとしたパンクロックで世間を驚かせた登場から、意表を突くことを己に課してきたところもあったと思う。そんな足枷にさよならし、等身大の自分たちを歌いたいという意思が、この楽曲にはこもっているのではないだろうか。
もう、恐るべき子供たちじゃない。ただただロックンロールを好きな4人の若者たち。ここからが正念場だ。嘗ての自分たちに歌いかけるように、優しく逞しい“Teenage Hero”、フォーキーなテイストがすがすがしい、新たな彼らの路線のひとつを提示した“アンラッキーガール”と、カップリングも充実しているので、引き続き期待させて欲しい。(高橋美穂)
これが黒猫の素っ裸
黒猫チェルシー『グッバイ』
発売中
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SINGLE