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近年は「歌」が印象的な楽曲が目立ったBRAHMAN。しかし今作からは「バンド」を感じる。今まで以上に、4人のプレイヤーとしてのセンスが際立っているのだ。TOSHI-LOWの歌声も、技巧を磨いたままでピュアに立ち返ったかのよう。楽曲からも、“春を待つ人”の感動的なメロディや、“最後の少年”の青臭いほどの真っ直ぐさ、“SURVIVOR'S GUILT”の捻ったアレンジなど、「引き出しの奥にあったBRAHMAN」のような姿が見られる。数々の名カバーが存在するモーターヘッドの“Ace Of Spades”にも挑み、いかついだけではなくギターソロで急展開。そのあとのハードコア“知らぬ存ぜぬ”への流れは痛快だ。“charon”の狂おしさが顕著だが、なんだかBRAHMANだけで鳴らしている感じがしない。彼らが出会った人たちの魂もこもって聴こえてくるのだ。ラスト“WASTE”は《Rise now!》と叫んで締め括られる。立ち上がり、すべてを連れて悔いなきよう、生きよう。そのための、エモーショナルがすぎる最高のファンファーレ。（高橋美穂）

（『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より抜粋）

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