表題曲の“結 -ゆい-”は『NHK全国学校音楽コンクール・中学校の部』課題曲として書き下ろされた曲であり、期間限定生産盤にはその「手本」となるべき混声三部合唱バージョンも収録されているのだが、何よりmiwa本人が歌い上げる“結 -ゆい-”のスケール感がすごい。《夢は描いた人しか かなえられないんだから》《僕たちはなにより強い絆で結ばれている》というまっすぐな(そしてそのまっすぐさゆえについ目を逸らしがちな)メッセージに、誰もが惹きつけられずにおかないほどの訴求力を与えるために、miwaはその歌声をこれまで以上の覚悟と決意をもって響かせている。青春世代への真っ向勝負のエールを贈るために、miwaは光そのものになった、と言い換えたっていい。そうとしか思えない揺るぎなさが、“結 -ゆい-”には確かに備わっているからだ。壮麗なストリングスサウンドと雄大なリズムアレンジを擁したパワーバラードのアンサンブルをも引き連れて、miwaは決然とした足取りで新たな次元へと歩みを進めている――そんな彼女の現在地をまざまざと伝えてくる、渾身の名曲だ。(高橋智樹)