それこそ“NEW WALL”のストリングス大フィーチャーや“Girl A”のインダストリアルな質感のサウンドメイキングも含め、バンドサウンド以外のアレンジも含めて強靭なロックの肉体性を発揮してきた[Alexandros]だが、バンド初のウィンターソングとして「JR SKISKI」CMでオンエア中の“SNOW SOUND”のハイブリッドなサウンドが描き出す美しさと透度は別次元だ。《いがみ合い、許し合いが折り重なり／色鮮やかなまでのメロディーになっていく》というフレーズはそのまま、悲しみもルサンチマンも雄大なスケールのアンセムへと昇華するロックという表現そのものに4人が抱くロマンをまっすぐに伝えてくるし、《無関心なふりして／目をそむけていても／あなたを想うよ》の言葉は、ファンもそれ以外の人も含めこの時代に生きる者すべてを音楽で抱き締めていこうとする覚悟のように響いてくる。映画『きょうのキラ君』主題歌として最新アルバム『EXIST!』からリカットされた“今まで君が泣いた分取り戻そう”とともに、さらにユニバーサルな訴求力を獲得しつつある彼らの「今」を物語る名シングル。（高橋智樹）