2013年の『We Are the 21st Century Ambassadors of Peace & Magic』では70年代ロックのツボをちりばめたリフやメロを再構成していくという離れ業を披露して一躍注目されたフォクシジェン。前作『…And Star Power』ではポップ・ロックとエキセントリックなロックンロールと虚無的な心情が錯綜していく壮大なコラージュとなっていたが、今回のオープナーを飾るのはどこまでもポップなファンク・ロックを聴かせる“フォロー・ザ・リーダー”で、これがまた完璧すぎるほどの名曲だ。続く“アヴァロン”では古いR&Bとボードヴィルを混ぜ合わせたような演芸っぽい展開を見せ、気紛れに放り込まれるギター・リフがどこかデヴィッド・ボウイ的。一番の聴かせどころとなる“アメリカ”や“トラウマ”も非常に演劇のようで、まさにボウイ的な歌唱でないと成立しない曲なのだ。楽曲の流れとして、今回は絶望から這い上がる心境や心象を断片的に辿るものになっており、それでこうした劇的な作りが必要なのだろう。実は前作の最終曲が今作のタイトルの“ハング”で、今回は絶望の底をついた後に“ライズ・アップ”で締め括られるという感動作。(高見展)