『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
“無責任な肯定を”で《鳴らしたいものは一つだけ》と、ロックの衝動と孤独の焦燥を直球で描き切ったCloudyが、その本質を全うするような2ndアルバムを完成させた。アコギのアルペジオが轟音のギターサウンドへと続くインストから、疾走感溢れる“捧ぐ”、そして激しく跳躍、展開するビートに強烈に引き込まれる“マリア”へ。この冒頭3曲を聴くだけでも、彼らが信じる、そして今リスナーが渇望するロックのスリルを存分に感じ取ることができる。そして新機軸とも言えるバラード“自分勝手”では、小柴タケト(Vo・G)のリリシストとしての本懐に触れる気がした。《あなたを幸せにしたいんだよ/僕の為に》と歌う、その感情に“自分勝手”と名づける眼差しこそ、「自分勝手ではないやさしさ」ではないか。『できるだけ感動の方へ』というタイトルにも、その思想は込められている気がする。不確かな人生の中でロックになら希望を見出せる──そんな不器用でやさしき男たちの、密やかで、けれど確かな人生讃歌がここにある。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年9月号より)『ROCKIN'ON JAPAN』9月号のご予約はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。