3月3日にドキュメンタリー映画『WE ARE X』が全世界同時公開される。その同日にリリースされるのがこのオリジナルサウンドトラックだ。目玉はエンディングテーマを飾る新曲“La Venus”（Acoustic Version）で、本作が初収録となる。YOSHIKI曰く「すべてのものは壊れていくけど、永遠の愛みたいなものを語ったもの」というように、鍵盤とストリングスをバックに、ToshIが切々と歌い上げる珠玉のバラードに仕上がっている。

熱狂的なX JAPAN信者でなくとも、このバンドがきらびやかな栄光と壮絶すぎる闇を抱え、一度解散し、再結成の道を歩み、今日に至っていることは承知だろう。この映画自体が彼らの光と陰に真正面から向き合った内容ならば、この新曲も今のX JAPANにしか表現し得ない、命の根源から汲み取ったような慈愛に満ちた曲調と言っていい。静けさの中で躍動する歌とメロディの美しさは、過去のバラード曲を凌駕する素晴らしさだ。ほかは映画の内容に沿うように、彼らの歴史を物語る既発曲や97年の解散ライブの音源が収録されている。（荒金良介）