ベテランの奥義が聴こえる

ロスト・ホライズンズ『オハラ』
2017年11月22日発売
ロスト・ホライズンズ オハラ
過去20年、良心的なインディ・レーベル:ベラ・ユニオンの運営&確立にその労力をほぼ傾けてきた元コクトー・ツインズのサイモン・レイモンドが久々に立ち上げた新プロジェクト。パートナーは「早過ぎたポスト・ロック・バンド」としていまや伝説化しているディフ・ジャズのリチャード・トーマスで、80年代当時の両バンドの交友の深さを考えても一種「4AD同窓会」な趣きがある。

両者の編み出した音楽に多彩なゲスト(元ミッドレイクのティム・スミスといったBU関係者だけではなくシャロン・ヴァン・エッテンからゴーストポエットまで含む)が歌声を添えるというコンセプトにも、ディス・モータル・コイルがもっとも明確に提示したかつての4ADの気風=同胞たちによるコラボレーション・アートという美学が流れている。一部の楽曲にコクトーズ流「天上の調べ」への志向が響いているのも嬉しいし、総体的にオーガニックかつメロウな秋色の大人のポップという出来映えだ。歌い手の資質によって曲調は変化するが、リチャードのアンビエントな音作りとサイモンのレーベル主=キュレーターとしての優れた感性も含めて堪能したい1枚。(坂本麻里子)
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