両者の編み出した音楽に多彩なゲスト(元ミッドレイクのティム・スミスといったBU関係者だけではなくシャロン・ヴァン・エッテンからゴーストポエットまで含む)が歌声を添えるというコンセプトにも、ディス・モータル・コイルがもっとも明確に提示したかつての4ADの気風=同胞たちによるコラボレーション・アートという美学が流れている。一部の楽曲にコクトーズ流「天上の調べ」への志向が響いているのも嬉しいし、総体的にオーガニックかつメロウな秋色の大人のポップという出来映えだ。歌い手の資質によって曲調は変化するが、リチャードのアンビエントな音作りとサイモンのレーベル主=キュレーターとしての優れた感性も含めて堪能したい1枚。(坂本麻里子)
ベテランの奥義が聴こえる
ロスト・ホライズンズ『オハラ』
2017年11月22日発売
2017年11月22日発売
両者の編み出した音楽に多彩なゲスト(元ミッドレイクのティム・スミスといったBU関係者だけではなくシャロン・ヴァン・エッテンからゴーストポエットまで含む)が歌声を添えるというコンセプトにも、ディス・モータル・コイルがもっとも明確に提示したかつての4ADの気風=同胞たちによるコラボレーション・アートという美学が流れている。一部の楽曲にコクトーズ流「天上の調べ」への志向が響いているのも嬉しいし、総体的にオーガニックかつメロウな秋色の大人のポップという出来映えだ。歌い手の資質によって曲調は変化するが、リチャードのアンビエントな音作りとサイモンのレーベル主=キュレーターとしての優れた感性も含めて堪能したい1枚。(坂本麻里子)