2017年5月から開催されたアリーナツアーの映像作品化。9月のさいたまスーパーアリーナでの公演を収録している。実際にこのツアーを体感した者として、このライブは必ず作品として残しておくべきものだと思っていたので素直に嬉しい。アリーナツアーだったにもかかわらず、各地のチケットは瞬殺ソールドアウトだっただけに、作品化を待ち望んでいた人も多いことだろう。ライブは演出として取り入れられていたボイスドラマ（星野源自身が脚本を手掛けた）も含め、『Continues』というタイトルに込められた、「先人たちから受け継いだ偉大な音楽を、自分の糧として取り込みながら、これからもずっと続けていく」という、星野源の音楽人生そのものを表現したかのようなテーマが明確に貫かれていて、改めて、今これを誰もが等しく楽しめるエンターテインメントとして、ステージで表現できるのは彼以外にいないのではないかと思う。星野源の歌と演奏はもちろんのこと、彼自身が信頼して止まないサポートミュージシャンたちと紡ぎあげるバンドサウンドが、何より心底素晴らしい。（杉浦美恵）