“今”を描いた不変のDIY精神

スーパーチャンク『ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ』
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ALBUM
スーパーチャンク ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ
通算11作目。3年前にはフロントマンのマックが本名名義で初のソロ作を発表したが、バンドとしては5年ぶりのアルバムになる。今作は過去になく多くのミュージシャンがバッキング・ボーカルとして参加しているのが特徴。マグネティック・フィールズのステファン・メリット、ペドロ・ザ・ライオンのデヴィッド・バザン、そしてワクサハッチーのケイティー・クラッチフィールドなど顔ぶれも豪華。持ち味の軽快なギター・ポップ/パンク・サウンドに表情豊かな彩りを添えている。

一方、トランプ政権後の世の中を受けて制作されたという本作は、その意味で「ポリティカル」なアルバムだといえるかもしれない。ただしマックは「これは悲惨で落ち込んでいる状況についてのレコードだけど、聴いていても悲惨で憂鬱に感じるようなレコードではない」と語る。大局的な視点を持ち出すのではなく、あくまで「パーソナル」な目線で言葉を紡いでいくナラティブのスタイルは、これまでの作品と変わらない。そうしたところにも、かれらがこの30年近く守り続けてきたDIYなスタンスをあらためて感じることができるような作品だ。(天井潤之介)
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