1997年の結成から昨年20周年を迎えた
ACIDMANのアニバーサリーイヤーを網羅した映像作品。その大きな目玉になるのが、昨年12月23日に地元・さいたまスーパーアリーナで初開催した主催フェス「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」のドキュメンタリー映像だ。
アジカン、
the HIATUS、
THE BACK HORN、
ストレイテナー、
10-FEET、
Dragon Ash、
BRAHMANら錚々たるメンツが出演したこのフェスは、もはや単なる「いちバンドの20周年イベント」ではなく、00年代邦ロックシーンの縮図のような一夜だった。本作では、ACIDMAN以外の出演者のライブシーンはMCを拾うかたちの編集だが、あの日、盟友たちの間で交わされた言葉からは、共に同じ時代を歩いてきた者同士だからこその熱い想いが溢れている。大木伸夫(Vo・G)は「今日、出演したバンドの誰が欠けても、僕たちは20年間もバンドを続けられなかった」と言っていた。バンドが20年続くことは簡単じゃないけれど、それを成し遂げた時、こんなにも夢みたい奇跡が起こる。この日こそロックバンドのロマンそのものだった。(秦理絵)