人懐っこいバンド

KANA-BOON『KBB vol.2』
2018年09月19日発売
ALBUM
KANA-BOON KBB vol.2
今年9月でデビュー5周年のKANA-BOON。記念企画が続くが次に登場するこれは、シングルのカップリング曲集第2弾だ。集められた11曲を聴き直すと、彼らがコンスタントにいい曲を作ってきたことがよくわかる。歌メロ、ギターリフ、リズムの組み立てなど、どれも親しみやすいものが選ばれている。

アルバムには新曲“夜の窓辺から”も収録されている。それは、笑われるかもしれないけど歌い続けると、自分たちの決意を示した節目の時期にふさわしいバラードだ。今回、デビュー曲も琵琶、太鼓、尺八を加えた“盛者必衰の理、お断り(和和和 version)”で収録されている。『平家物語』や『寿限無』を引用した同曲の頃からそうだったが、彼らはユーモアを1つの武器にしてきた。“ワカラズヤ”や“君を浮かべて”のように詞の展開が面白い曲もある。うまくいかない状況を笑い飛ばそうとしたり、自分で自分を笑ってしまったり、誰かに笑われることを意識したり。谷口鮪は、そんな誰にでもある感情をなじみやすい形にして曲へと変換する。KANA-BOONは、サウンドも言葉も人懐っこい。(遠藤利明)
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