戦うヒップホップ・サントラ

マイク・ウィル・メイド・イット『クリード 炎の宿敵:ザ・アルバム』
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ALBUM
マイク・ウィル・メイド・イット クリード 炎の宿敵:ザ・アルバム

『ロッキー』シリーズのリブート作として2015年に公開され、世界中で大ヒットした『クリード チャンプを継ぐ男』は、ボクシング映画としてだけでなく、「ヒップホップ映画」としての強度もヘヴィ級だった。あれから3年、その待望の続編として1月11日に日本公開される『クリード 炎の宿敵』のサントラ盤も、前作に負けないレベルの熱〜い一枚に仕上がってきた。アルバム全体の制作総指揮は、マイク・ウィル・メイド・イット。もともとドラマチックな臨場感を音響化するのが大得意なプロデューサーだけに、これは抜群の人選と言えるだろう。

収録されているのは全部で15曲。なによりも特筆すべきは、ゲスト・ラッパーの顔ぶれが超豪華だということ。リル・ウェインケンドリック・ラマー、ファレル、リック・ロス、NAS、ヤング・サグ、グッチ・メイン、YG……と順に列挙するだけで、歴代最強ラッパーのオールスター・チームが作れちゃいそう。もちろんヒップホップ界だけでなく、ボン・イヴェール(!!)やエラ・メイらも参加していて、この面子を電話1本で集められるのも、さすがマイク・ウィル・メイド・イットの「交遊力」である。

企画盤ならではの面白さと言えるのは、ほとんどのラッパーが「ボクサー」というお題を真剣に取り上げ、自分なりのメタファーに落とし込みながら歌詞を組み立てている点。「戦い」の解釈にもラッパーごとの個性が出ていて、そのへんの違いを聴き比べるのも楽しいと思う。えっ、それよりも、明日ジムでトレーニングする際のBGMにぴったりの曲を教えろって? そんなあなたは、エイサップ・ロッキー&エイサップ・ファーグ&ニッキー・ミナージュの“ランニン”をリピート再生でお試しあれ!(内瀬戸久司)



『クリード 炎の宿敵:ザ・アルバム』の各視聴リンクはこちら

マイク・ウィル・メイド・イット『クリード 炎の宿敵:ザ・アルバム』のディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。
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マイク・ウィル・メイド・イット クリード 炎の宿敵:ザ・アルバム - 『rockin'on』2019年2月号『rockin'on』2019年2月号
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