変わらないことと、変わり続けること。BUMP OF CHICKENほど、それをナチュラルに両立しているバンドはなかなかいない。あらためてそう思った。彼らの不変的なところは、キャラクターと歌詞のあり方。年齢や経験を重ね深みを増してはいるが、聴き手の心に寄り添う姿勢はずっと変わらない。今作も《もうきっと多分大丈夫　どこが痛いか分かったからね》という歌い出しからズバリと突かれて、驚きと喜びと安らぎで涙が出そうになる。この姿勢を貫くだけでも背負うものが大きいと思うが、さらに彼らは、音像において変わり続けてもいる。今作では、ライブが目に浮かぶギターロックと、想像力を膨らませるエレクトロサウンドを絶妙に配合。特に、中盤の《もう一度　もう一度　クレヨンで　好きなように》というロマンティックな歌詞を現実に響かせるためのリズミカルなコーラスと、藤原の躍動感に溢れた♪オーオーの歌声が重なり合うあたりは、自分たちらしさと時代性を見事にシンクロさせている。7月リリース予定のアルバムでも、この技巧は遺憾なく発揮されているのだろうか。楽しみに待ちたい。（高橋美穂）