春の嵐がやってきた

never young beach『STORY』
2019年05月08日発売
never young beach STORY
桜が咲いて浮き足だつ季節だが、春とはどうも厄介な季節でもある。分厚いコートに飽き飽きし、薄着をしてみた途端に寒さがぶり返す。別れと出会いに不安を募らせ、作り笑いばかりがうまくなる。覚えられない名前、新しい街。三日坊主のアレやコレ。気持ちが迷子になりがちな春なのだ。しかしそんな折でも、一歩外に出てみたら、すくすくと芽吹く草木からエネルギーを分けてもらうことがある。ネバヤンの新作『STORY』は、そんな春の息吹を感じるアルバムだ。優しいのに力強い全10曲。背中を押す代わりに、一緒に歌って踊ってくれる。もの哀しさがちりばめられた歌詞が印象的な“いつも雨”。余白を活かした楽曲にコーラスがキュートに乗っかる“春を待って”。タイトル曲の“STORY”では、やっぱり音楽って楽しい、楽しいは最強という気分にさせられる。ラストソングは“Opening”。タイトルの意味するところはさておき、ユルい演出に笑みがこぼれる。かつての場所を思い出しながらも、歩く足を止めないこと。それが大きな一歩なのである。聴き終える頃には、風通しのいい自分と出会えそうだ。(峰典子)
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