地肩も足腰も強いから出せる音

夜の本気ダンス『Fetish』
発売中
ALBUM
夜の本気ダンス Fetish
アレンジの細部にまでわたって大量のアイディアが詰め込まれていると思える瞬間もあるし、「基本の音だけ」というくらいシンプルに感じる瞬間もある。ザ・ストーン・ローゼズフランツ・フェルディナンドなどの自身のルーツである音に立ち返っているように聞こえる曲もあるし、これまで手をつけたことのない未知の領域に踏み出している感触の曲もある。「ここセンスいいなあ」と言いたくなる箇所もあるし、センスもクソもなく力技で押し倒すみたいな箇所もある。四つ打ちど真ん中なのもあればそうじゃないのもあるし、ファン熱狂必至な曲もあれば「うわ、攻めたなあ」って曲もある。

というアルバムだが、相反することをあえていろいろやってみた感じではない。やりたいことを力いっぱいやったらそういう作品になった、ということなのだと思う。どうでしょう。理想的でしょう。ダンスロックブームから出て来た、と捉えると、早くはない登場だったこのバンドが、こうして生き残り、上昇を続けている理由がよくわかる、メジャーから3枚目にあたるフルアルバム。タフだ、この人たち。(兵庫慎司)
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