レフトフィールドの最新形

ブラック・ミディ『SCHLAGENHEIM』
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ALBUM
ブラック・ミディ SCHLAGENHEIM

すでに耳の早いリスナーの間では大変な評判を呼んでいる、まだ全員20歳そこそこのロンドン発4ピース・バンド。本作に先駆けてリリースされたシングル“トーキング・ヘッズ”のタイトルで興味を惹かれ、昨年出たダモ鈴木との共演音源を聴いてブッ飛ばされたのだが、このデビュー・アルバムも期待を上回る超強力な内容だ。マスロックとかポスト・ハードコアと呼ばれるジャンルを、それなりに聴き込んできたつもりだが、そんな耳にも彼らの叩き出す音は、十分に新鮮に響いてくる。

全員が卓越したテクニックを有し、パワフルなドラムを軸に竜巻のようなインプロビゼーションを展開する彼らは、無心で没頭した即興の素材から曲を完成させる手法を採用している一方、「踊れてメロディックで、いいリズムのもの、親しみやすい音楽を作ろうとしている」とも語る。下世話な目的を伴わないポップ志向が、ズバ抜けた才能と実力によって発現していることで、刺激的なプレイとフックのある聴かせどころを両立させられるのだろう。ボーカルにジョン・ライドン的な雰囲気が漂うところも好感度大。

本人たちは、今時の若者らしく時代もジャンルも超えて古今東西の音楽を吸収してきたようで、ボアダムスディアフーフデス・グリップスといったあたりの名前をあげているが、この「特異点」っぷりには、個人的にディス・ヒートを連想したりもした。いずれにせよ、ロック・バンドという形式がまだまだ刺激的な存在たり得ると示してくれた頼もしい奴らであることは間違いない。9月に決定している来日公演で、その姿をしかと確認しておきたいと思う。

日本盤CDには前述した“トーキング・ヘッズ”に加え、“クロウズ・パーチ”もボーナスで収録されてるのが嬉しい。 (鈴木喜之)



詳細はBEATINKの公式サイトよりご確認ください。

ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

ブラック・ミディ SCHLAGENHEIM - 『rockin'on』 2019年8月号『rockin'on』 2019年8月号
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